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月刊ムック『裏テク探偵団』(アスペクト) »

2005/01/15

なんと携帯電話博物館がオープン!(超長編)
NTTドコモ「歴史展示スクエア」視察記

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 うっ、やられた~、というのが最初の感想。
 なんとなんと、NTTドコモがケータイ博物館「歴史展示スクエア」をオープンした! 当然のことながら旧電電公社、旧NTT、NTTドコモの端末のみしか展示はされていないが、歴史を追って懐かしいモデルがずらりと並んだ展示場がオープンし、一般公開されていたのだ。
 私は収集したケータイのコレクションを展示する携帯電話博物館を立ち上げたいというのが、いつかかなえたい夢だった。その先を越されてしまったという衝撃的な情報を知り、何はともあれ見学してきた…。

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NTTドコモ 歴史展示スクエアが入るNTTドコモ墨田ビルは東京・両国の江戸東京博物館に隣接。写真はJR総武線両国駅ホームから撮影。江戸東京博物館の左手にある背の高いビルがNTTドコモ墨田ビル。


●館長も携帯電話の達人

 NTTドコモ 歴史展示スクエアは、東京の下町・墨田区両国にあるNTTドコモ墨田ビルの1Fにある。このビルはNTTドコモの研修センターとなっており、本来であれば一般利用者にはなかなか縁のないビルだが、すぐ近隣には東京の名所ともなった江戸東京博物館があり、もしかしたら下町の新しい名所となる可能性もある。
 大きく報道されていなかったが、昨年11月15日にオープン。11月19日には、墨田区の「小さな博物館」の認定を受けている。じつは墨田区では、地域の産業や文化に関するコレクションを紹介する「小さな博物館」運動を推進しており、現在27カ所の博物館等が区内に点在している。NTTドコモがこの墨田ビルを建設するにあたっては地域のさまざまな協力があり、そこで地域に何らかの貢献をしたいと模索し、その結果この「歴史展示スクエア」のオープンに至ったというわけ。じつは私自身も墨田区には縁が多く、私自身の出生地は墨田区らしいし、この両国にも5年ほど住んでいたことがある。久しぶりに駅を下りたら街はがらりと綺麗になっていて驚いた…。
 歴史展示スクエアには現在170点ほどの端末が展示されている。NTTドコモの全モデルが展示されているというわけではなく、歴史を追えるよう、シリーズごとに主要なモデルが展示されている形となっている。それでも170点になるというぐらい、世の中には様々な種類の携帯電話が出回っているわけだ。
 歴史展示スクエアの入場料は無料、ただし見学にあたっては事前予約制となっている。私を案内してくださったのは、NTTドコモ歴史展示スクエア館長である、臼倉富雄氏。臼倉氏は電電公社時代からさまざまな通信事業にかかわり、のちに自動車電話の黎明期から現在に至るまで、移動体通信の発展に尽力されてきたベテランだ。


●まずは船舶電話からスタート

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歴史の最初を飾るのは、1964年にサービスされた内航船舶電話S-55B型NS1号無線電話装置。ふーん、アンリツ製なんだ。

 展示館はビル1Fのオープンなスペースに展示ブースを設け、歴史順に端末を展示している。歴史の最初を飾っているのは1964年にスタートした船舶電話サービスの無線機とハンドセットだ。携帯電話の歴史について、歴史上のどこを最初とするかは色々と議論ある。私が戸板女子短大の授業などで触れている携帯電話の歴史は1979年スタートの自動車電話サービスを最初としているが、港湾電話、船舶電話にさかのぼっるという考えもある。移動できる電話という観点からはこれが正しいのだろう。

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船舶電話のハンドセット。そのまんま黒電話の受話器がついているだけじゃん、という感じだが…、よく見ると「圏外」なんていうインジケーターもついているようだ。「圏外」って言葉はこの頃からあったんだ…(へーー、と感心)。

 次に展示されているのは防災無線電話。これもれっきとした移動電話の一種だろう。この端末は、役所や消防署などに配備され、万が一通信が断絶、孤立した場合に利用できるようになっていた。私的にはあたり前のものだと思っていたのだが、先日の新潟中越地震の際には携帯電話を過信していた行政などもあって地域の孤立が問題となった。これって行政(や消防も?)の認識があまりに甘すぎるというか、知識がないというかで私は呆れるばかりであった。この端末が展示されているとおり、はるか以前から行政向けに非常用通信が用意されていたにも関わらず、そういったものを備えていなかったのだろうか。
 なお、現在はこの防災無線電話はサービスを終えており、NTTドコモの衛星電話サービスの利用に切り替えられているという。

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災害連絡用孤立防止無線方式TZ-60型「N」移動無線機


●自動車電話サービススタート

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これがTZ-801型自動車電話。無線機の重さは約7kg。

 さて、私的にはじめての移動電話サービスと考えているのがこのTZ-801型自動車電話。船舶電話も個人で契約できないわけではなかったが、船よりももっと身近な“自動車”向けに開発された移動電話こそ、一般の利用者への普及を図った最初のサービスであろうと考えているからだ。800MHz帯の通信サービスを使った移動通信もこのTZ-801が初めてとなる。1979年12月にサービスをスタートし、当初は東京23区内のみのサービス展開だった。アナログ大都市方式と呼ばれていた、世界で最初の本格的なセル構成によるシステムだった。

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こちらは2代目、TZ-802型自動車電話。無線機の重さは約2.4kgまで小さくなった。

 全国で利用することができるようなった自動車電話はこのTZ-802型である。東京と大阪でサービスがスタートし、さらに全国へ展開していった。アナログ中小都市方式と呼ばれ、地方の主要都市、小都市などにも経済的に展開可能なシステムだった。今のように同じ電話番号にかけてどこのエリアに居てもつながるというものではなく、030の識別番号に続けて、2桁の通話先エリアの番号を指定して発信した。相手が違うエリアに移動した場合、電話番号の030以下2桁を変えて発信しなければならなかった。この802型より自動車外でも利用したいという要望にこたえる形でショルダーホンも開発されている。(802型自動車電話が登場したのは1982年、100型ショルダーホンの登場は1985年)

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初めて可搬型の移動電話となったのがこの100型ショルダーホン。


●携帯電話の登場

 1988年には、自動車電話はTZ-803型へ進化を遂げる。展示されているのは車内外兼用型取付金具に設置されたTZ-803A型無線機とループトップ用アンテナ。無線機の上にハンドセットを据え付ければショルダーホンとなる。自動車に戻ってきたときはこの取付金具にガチャっとはめて自動車電話として使用し(さらに充電される)、自動車から降りるときは無線機を取り外してショルダーホンとして携行できるというものだった。
 2本のアンテナ素子が立つルーフトップアンテナがそばに置いてあるのは、このTZ-803型からダイバーシティを採用したということを説明するためだ。

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TZ-803A型自動車電話無線機とルーフトップアンテナ。取付金具は固定設置用ではなく、車内外兼用型の着脱可能な金具に乗せて展示されている。マニアック~(それを見て喜ぶ私もアホ)。

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元祖携帯電話の2台。左がTZ-803B、右がTZ-802B。携帯電話自由化後、合法的に入手できたのは803型以降なので、私も802以前の端末は保有していない。正直、この802B型携帯電話が欲しくてたまらない(どなたか譲ってください~)

 802型、803型には自動車電話・ショルダーホンが用意されていただけでなく、さらに携行しやすいよう小型化された“携帯電話”が登場した。まさにケータイの元祖の登場である。TZ-802B携帯電話は1987年、TZ-803B型携帯電話は1989年の登場。自動車電話・ショルダーホンが出力5Wだったのに対し、携帯電話は1Wの出力しかなく、ビル影などでは電波の入りが非常に悪かった。そこでしばらくはショルダーホンと携帯電話の両方が利用されていた。なお、現在では携帯電話の出力にあわせて基地局を設置しているので使い勝手は格段に向上しているのは皆さんご存知のとおり。


●ムーバの登場から最新のモデルまで

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1991年登場の“超小型携帯電話”「ムーバ」。現行のシリーズのようにメーカー名をローマ字で冠したシリーズはここから始まる。

 もうこのあたりからは各所で解説が掲載されているだろうから、多くは語らない。でも、この当時の携帯電話はまだまだ高価な製品であったので、端末の質感や丈夫さなどは現在の端末の比ではない。よくできた精密機器だと実感できるものだ。(今時のケータイはプラスチッキーで安っぽく、食指が動くものが少ないと感じる)

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ポケベルも展示されているが、これは1992年に登場した“プレシャス”という腕時計型ポケベル。しかもロゴは貴重な“NTT”ブランドだ。すごい貴重かも。のちに“ジークス”と名づけられた腕時計型ポケベルも発売されたが、こちらのほうが断然かっこいい。すっきりしたデザインがなんとも好感を持てる。

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1993年にはデジタルムーバが登場。いわゆる現在のムーバサービスのスタートだが、サービス開始直後に利用できたエリアは大都市部のみで、それから数年かけて現在までエリアを拡張した。懐かしい…。

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ムーバR2。このモデルだけ充電器に置かれているが、これは“当時は予備バッテリーも持ち歩いていたんだよ”ということを説明するため。端末の後ろにはバッテリー単体で充電できるスロットがあり、予備バッテリーを充電するスタイルを紹介している。電池を複数持ち歩いたなんて、今時のユーザーは確かに知らないでしょう。ちなみに私はLまたはMバッテリー派でした(笑)。P2ハイパーあたりはSバッテリーを装着するよりも、Mバッテリーを装着したデザインのほうが一番ボディラインが美しく見えたはず。

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うぉー、乾電池ホルダー。バッテリーの補助としてこんなのも当時はありましたね。

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出ました~、TZ-821(820)型ショルダーホン。このショルダーホンはデジタル方式なのだ。すなわち今でも使えるショルダーホン。左はFAXユニット内蔵型でやや背が高い。欲しいなぁ~。私は右と同タイプは保有しているが(私のは820型)、プッシュ北沢氏は今でも電話番号を入れて愛用されており、しかも持ち歩かれている。なお型番で、821型はお買い上げ専用、820型はレンタル専用となっていた。私の場合、当初はレンタルで契約し、数年後買い上げたので820型のまま手元に残っている(かなり貴重らしい)。

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このあたりからは、ずらっとモデルが並んでいく。一つひとつ解説するのはもうおしまい。一番左上のCM-D800(DoCoMo by SONY、ソニー初のNTTドコモ向け端末)が懐かしいなぁ。

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もう少し新しいところに来ます。

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しかし、しっかりマニア泣かせな端末を押さえていますね(笑)、ER205を発見。この端末はエリクソン社の試験的導入端末で、ドコモ中央しか市販されず、それも丸紅系代理店のみの扱いだったため、都内でも一部のドコモショップでしか扱われなかったというレア端末。販売時はそれほど人気があったわけではなく、すぐに3000円程度で秋葉原の量販店で投売りされたのだが、その後ヤフーオークションで価格が急騰、15万円以上のプレミアム価値がある。

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写りがわるくてすみません、この辺に来ると撮影にもあまり気合が入ってませんね(笑) iモードスタート頃です。

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FOMAスタート。ブルーのUSIMカードも展示されている。これも貴重なコレクターアイテムになるのだろう。

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グリーンのUSIMとその頃のFOMAなど。

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リストモの展示台が目を引く。製造メーカーが商品展示に使ったものを貰い受けたのだそう。これ、私も欲しいなぁ~(展示台のほうです)。(写真がぶれてますね…、すみません。館内の撮影はすべてSH901iC使用。なんかSH900iより画質や使い勝手が落ちるような…

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そして昨年2004年の展示でおしまい。2005年もすでに多数のモデルが登場しているので、この続きを作らなきゃ、と臼倉氏は気合を入れていました。


 今回は長文のコラムに最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。この展示館の概要は次のとおり。専任スタッフが限られているので、必ず予約の上来館して欲しいということだった。ビル自体も完成したばかりで、入り口に看板などもまだ出ていないので分かりにくいが、見学は大歓迎とのこと。

■NTTドコモ歴史展示スクエア
■開館時間 10:00~17:00(予約制)
■休館日 土日祝祭日、年末年始
■入館料 無料
■所在地 〒130-0015東京都墨田区横網1-9-2
     NTTドコモ墨田ビル1F
■電話番号 03-6658-3535
■交通 地下鉄大江戸線両国駅A1出口から徒歩3分
    JR総武線両国駅西口から徒歩8分
■URL:http://www.std-mcs.nttdocomo.co.jp/history-s/
   (ホームページは現在準備中)

Posted by 木暮祐一 日記・コラム・つぶやき |

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