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2009/09/24

BBA主催『世界のモバイル・ブロードバンドサービスの最新事情』開催のご案内

 一般社団法人ブロードバンド推進協議会では、世界でモバイル・ブロードバンド事情の取材にあたる2名のジャーナリストにご登壇頂き、韓国・中国を中心に世界のモバイル・ブロードバンドサービスの最新事情についてご紹介いただく講演会『世界のモバイル・ブロードバンドサービスの最新事情』を開催いたします。
 今回、私がブログで書き綴った、「P&T/Wireless & Networks Comm China 2009」をはじめとした世界の通信関連展示会を取材されている山根康宏氏や、韓国のICT事情に精通した趙章恩氏にご登壇いただき、世界の現状と、日本の通信ビジネスの利点、問題点を、客観的視点(ジャーナリスト視点)から突っ込んでいただこうという企画です。
 ぜひ、通信業界関係各位、通信サービスにご興味を持たれた方など、多くの方にご参加いただけたらと思っております。
 私、趙章恩氏、山根康宏氏のご講演の後、さらにパネルディスカッションで議論できれば良いのですが、逆にここは来場者の皆様のご意見も賜りたく、続きは懇親会でという流れになっております。最後の懇親会までご参加いただけたら幸いです。

<開催概要>
■日時: 2009年10月20日(火)15:30開始 (15:00開場)
■会場: 鉄鋼会館 東京都中央区日本橋茅場町3-2-10 TEL. 0120-404855
  東京メトロ八丁堀駅A5番出口より徒歩5分
  東京メトロ茅場町駅1番または12番出口より徒歩5分
■主催: 一般社団法人ブロードバンド推進協議会
■定員: 100名
■参加費:BBA会員 無料 ・ 一般 5,000円(税込) (懇親会参加費を含む)
■対象: 通信・情報関係者、その他一般の皆様

<プログラム>
15:00 開場
15:30 開始
15:35 趣旨説明「わが国の通信サービスが抱える課題」
 BBA 新世代ブロードバンド研究会 WGリーダー
 武蔵野学院大学 国際コミュニケーション学部 准教授 木暮 祐一
16:00 講演「韓国の最新モバイル・ブロードバンド事情」
 ITジャーナリスト
 東京大学大学院 学際情報学府 趙 章恩 氏
16:50 休憩
17:00 講演 「第三世代携帯電話が本格スタートした中国から見た世界の通信サービス動向」
 香港在住携帯電話研究家/ジャーナリスト 山根 康宏 氏
17:50 終了
18:00 懇親会

詳細・参加申込はこちら

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2009/09/23

中国のケータイ事情(5) 〜ケータイ闇マーケットに潜入〜

 中国で販売されているケータイ端末の出荷台数は年間2億4千万台ペースで拡大中(出所:iSuppli社)! 日本の総加入者数の2倍以上ものケータイ端末が1年間で販売されているわけです。その数もすごいですが、じつはこの中国で販売されているケータイ端末の中には、山寨手機(手機とはケータイのこと)とも、黒手機とも呼ばれる、じつに“怪しい”ケータイがマーケットの1割とも2割ともいわれるシェアを占めているそうです。
 いったいどういうケータイ端末かというと、NOKIAなどの既存ブランド端末そっくりの偽物ケータイや、製造メーカー不詳なオモチャのようなケータイのことです。中国内の大手量販店や、キャリアショップ、メーカーショップでは、こうした“怪しい”ケータイは見かけませんが、街中のケータイショップ(日本でいう、併売店のようなところ)にいくと、ちらほらとこういう端末を見かけます。
 こうした端末は驚くほど安く(といっても日本円で1万円前後から2万円近くするものまであります)、収入格差の大きい中国においては、ケータイを所持したいという低所得者層には無くてはならないケータイともいわれています。
 通信キャリアにとっては、いずれにしても通信料収入は入って来るので、こうした端末の流通にも目をつむって来たようですが、iPhoneの偽物に代表されるようにモラルを逸脱した端末も多いことから、山寨手機の締め出しにかかるのではないかという噂も流れています。
 こうした“怪しい”ケータイは、上海や北京などの大都市に問屋が密集したマーケットが存在し、中国各地のブローカーが端末を仕入れにやってきます。もちろん、このマーケットで個人が端末を購入することもできます。
 そんな闇(?)マーケットに潜入してきました。

Img_3861北京中心部から南の方角にバスに乗っていったところにケータイ市場はありました…。ビルの中にケータイ関連店舗がひしめいています。そして賑わっていました。

Img_3858ユニークな端末がショーケースの中にびっしり詰まっています。

Img_3854何やらリンゴマークの折りたたみケータイとか…

Img_0536黄色い馬のマークのあるクルマ型ケータイ…

Img_0533ひっくり返すと…。

Img_0547黄色い熊型ケータイ(笑) アクセサリーも充実しています。

Img_0544熊型ケータイを開くとこんな感じ。何かのキャラクターに大変似ておりますが…。それは突っ込んではいけません。

Img_3856NTT DCooMoというブランドのサイクロイド型ケータイ…。GSM方式なので、もちろん日本では使えません(笑) その隣に大型のタッチパネル式のNOKIAが…。山根氏いわく「そんなNOKIA、ありませんよ」。確かにメニューキーはBlackBerryらしきロゴになってるし…

Img_0514SIMカード屋も軒を並べています。ここは良番を貼り出していますね。


 この、ケータイ市場ですが、このほかアクセサリーの卸問屋や、ケータイの部品の卸問屋なども並んでいます。基板とか、液晶ディスプレーとか、あらゆるケータイのパーツが購入できます。そして、こうした“怪しい”ケータイ端末のOSは、中国の標準ケータイプラットフォームと呼ばれている「MTKプラットフォーム」が使われています。基板(=チップ)とセットになっていて、基板や液晶などのパーツを入手し、筐体を成型できればオリジナル端末を製造することもできます。
 そんなわけで、NOKIAやSAMSUNGなどのメーカー物ケータイが流通する一方で、ノーブランドの“怪しい”ケータイも多数流通しているのです。“怪しい”ケータイではありますが、作っているメーカーは本気でケータイを製造しています。その発想はユニークで(法を無視しているものも多いわけですが)、しかもローコスト。NOKIAやSAMSUNGが4〜8万円もするのに対して、ノーブランドのケータイは1〜2万円で流通しています。ノーブランドケータイにも、ユニークで魅力的なものや、驚くようなアイデアを見せつけられるようなものも多いのが事実。回線契約と端末販売が完全に分離しているマーケットでは、こういうことが起きるのかという良い勉強になります。さらには、こうしたノーブランド端末を作るメーカーも、徐々に技術力を積み重ねていけば、既存の真っ当な端末メーカーにとっても脅威です。世界の端末メーカーはこうした事態を受け止めていると思うのですが、日本の端末メーカーは果たしてどう感じているのでしょうか。

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2009/09/21

中国のケータイ事情(4) 〜ケータイ文化〜

 展示会は、関連企業が提供する最新サービスを知るには絶好のイベントですが、一方でユーザーがどのようにこうしたケータイサービスを受け入れ、使いこなしているのかを知ることも重要です。街に出てユーザーがどのようにケータイを使っているかを探ってきました。
 毎年北京を訪れている山根康宏さんでさえ「北京の様子は毎年変化している」というほど、新しいものを次々に受け入れており、それに伴った人間行動や生活における変化が著しいようです。
 中国におけるケータイ利用のイメージというと、もっぱら音声利用が中心で、地下鉄やバスなどの公共機関の中でも周りを気にせずケータイを使いまくるというイメージでしたが、今回北京の地下鉄車内などを見ていると、明らかに「画面の中を見入りながら何か操作している人」が多くなったと感じます。つまり、音声通話だけではなく、メールやコンテンツ利用、さらにはテレビ視聴など、日本で当たり前となった使い方が中国でも定着しつつあるようです。

09092101地下鉄のトンネル内はすべて「圏内」で、大声で音声通話をする人は相変わらず多いのですが、このようにメールなどを利用するユーザーが随分増えました。

09092102この高校生風の女の子の端末は全面タッチパネルのNOKIA。こちらではかなりの高級機です。山根さんいわく、相当お金持ちの子女でしょう、とのことでした。

09092103エスカレータで前に居た女性が取り出したのはiPhoneの偽物(笑)。手際よく使いこなし、何やら検索してました。

09092104バスの車内にて。窓際に座る男性はテレビを視聴していました。もちろん大音量です(笑)

09092105タクシーの運転手が使っていたのはプッシュトゥートーク。ケータイ型です。あるいはケータイ一体型でしょうか。

09092106中国ではノキアを中心にストレートタイプが主流と思っていましたが、最近では若者の日本ブーム(?)に便乗してか、折りたたみ型のシャープ製ケータイが大人気のようで、シャープを模した偽物まで登場しています。若い女性がこのような折りたたみ型を使っているシーンをよく見かけます。ストラップを多数ぶら下げるのも人気のようです。

09092107街中でみかけた中学生。しっかりケータイを握りしめています。中国でもケータイ所持の低年齢化が進んでいるのでしょう。

09092108天津市内でみかけたケータイグッズ屋さん。

09092109店一杯にケータイアクセサリーを並べており、若者たちでごった返しています。日本と変わらずケータイは若者に人気なのですね。

09092110日本と異なるのは、このような交換カバーが人気商品になっていることでしょうか。おもしろ系や、ブランド偽物など相変わらず何でもありですが、楽しそう。

09092111「日韓攻略」とはすごい店の名前ですが、ケータイとは関係なく、ファッション系のお店でした。若者たちの間では、日本や韓国がムーブメントの一つの目標なのですね。

09092112天津市内の販売店店頭にて、なんともごっついケータイを購入してご満悦の若者発見。写真を撮らせてもらいました。なんとビデオカメラ機能付きケータイ(ケータイ機能付きビデオカメラ?)。そのままケータイになるし、ビデオ撮影の時はディスプレイを回転させて撮影します。すごい端末だ…

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中国のケータイ事情(3) 〜端末事情あれこれ〜

 ケータイ端末の開発をより簡単にするためには、端末のチップセットやそのコントロールのためのOS等のプラットフォームが重要になってきます。この部分が汎用的なものになると、あとは端末メーカーは外装デザインや、プラットフォーム上に載せるUIの工夫などに注力できるわけです。
 中国製ケータイの多くは、中国の標準プラットフォームといえる「MTKプラットフォーム」を採用し、これを使うことで把握できないほど多数のメーカーがケータイ端末を製造しています(グレーなケータイも含め)。つまり、ケータイのプラットフォームはオープンだったわけです。
 一方、日本のケータイは、通信キャリアごとに独自のプラットフォームが強要されるようです。ということは、日本の端末メーカーは通信キャリアごとに設計を変えて、それぞれのオリジナル端末を通信キャリアに納入しなくてはならないわけですね。
 中国でも、最大手の通信キャリアとなった中国移動(China Mobile)が、独自の「OPhone」というプラットフォームを作り、これを搭載した端末をすでに多数ラインナップしているようです。iPhoneに対抗した(?)プラットフォームのようですが、通信キャリア主導のプラットフォームが今後どうなるか、その動向が気になるところです。

Img_2733OPhone OSを搭載したlenovo製端末。

Img_2741iPhoneを研究し尽くしたインターフェイス。意外にサクサク動くんですね。通信キャリア独自サービスも載っています。

Img_2752オープン(開放可能と書いてありますね)を謳っていますが、はたしてどうなるのでしょうか。

 プラットフォームの議論は日本でも以前から話題になっているわけですが、世界でもプラットフォームが重要と認識され、いかにこの部分を寡占できるかを各社が工夫しています。ところが、日本は世界展開を意識したプラットフォーム構築がうまく行っておらず、この部分でも世界から孤立してしまうのでしょうか。

 中国ケータイのプラットフォームはかなり汎用的なものが出回っていることで、端末そのものをメーカーが簡単に商品化できる環境が整っています。たとえばこんな端末も、市場では知られていないような小さなメーカーが商品化しているようです。

Img_3385子ども用端末。機能を絞れるだけ絞って、子ども向けにしている。位置検索など親にとって必要な機能はしっかり備わっている。

Img_3402高齢者向けとか、盲人向けなんている端末もあります。

Img_3401
この盲人用端末はボタンに点字が載せられています。

 ご多分にもれず、ヘルスケア系サービスも日本と同様に取り組みが見られます。周産期のケアが可能な妊産婦用ケータイも展示されていました。

Img_3047中国電信(China Telecom)向けの端末で、専用の心音計が付属し、胎児の状態を携帯電話で測定、そのデータがアップロードされ、必要に応じてアドバイスが飛んでくるというもの。

Img_3050妊産婦に役立つ各種機能や、コンテンツが充実。

Img_3072こうやって当てると、イヤホンマイクを通じて胎児の心音を聞けるそうです(大変熱心に解説いただきました)。

Img_3368基地局やアンテナメーカーなども多数出展。

Img_3431壁に同化して見えるやるも、門柱みたいなやつも、カムフラージュした基地局アンテナだそうです(笑)

Img_3333こちらのブースでは「撮影会」と称してオジサンや少年たちがカメラを向けて群がっていました。

Img_3319なんと業界団体が、スポンサー募って、スポンサー企業の商品をアピールするための撮影会でした(笑) よく考えたな。。

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2009/09/20

中国のケータイ事情(2) 〜韓国勢は…〜

 「P&T/Wireless & Networks Comm China 2009」では、中国系企業の出展が大半ですが、一部中国に参入している海外の企業のブースも見かけます。残念ながら日本企業は、ブラウザ等で著名なACCESSぐらいでしたでしょうか。
 一方で、韓国企業の力の入れように驚きます。ケータイ端末出荷数で世界シェア2位まで登り詰めたサムスン電子は、このイベントでも最大級のブースを構え、最新端末やブランドイメージの訴求を行っていました。

Img_3197サムスン電子のケータイ端末の3大コンセプトは「互联网(インターネット)も、时装(ファッション)も、生活(生活インフラ)」で、この3つを軸にラインナップを充実させている」ということらしいです。

Img_3203そして、中国独自規格の3Gである「TD-SCDMA」も含め、あらゆる通信方式に対応したモデルをラインナップ。

Img_3223たとえば「互联网」というカテゴリーの商品であれば、このようなandroid端末もラインナップしてます。

Img_3238「生活的」というのは、気軽に利用できるローエンド的モデルということのようですが、このようなタッチパネルケータイももう中国でさえ日常的になろうとしているわけです。ケータイスキルがそれほど高くないユーザー層でも難なく使いこなせせるインターフェイスの工夫が見られます。

Img_3239上記と同じ端末ですが、アジア人の手になじむサイズ(つまりiPhoneより幅狭く)で、使い勝手を向上させているのだとか。

Img_3213お? カメラを向けていると係員が飛んできますが、PRESSのIDカードを見せると「どうぞ撮ってください」という流れに変わります。

Img_3265同じく「生活」カテゴリーのモデルで、こちらもタッチパネルを使いながらの子どもなども使えるローエンドモデル。

Img_3264裏面のパネルも交換できたりと、「生活」ケータイらしく楽しめるようになっているようです。

 以上はサムスンのブースの端末だけでしたが、そのほか中国系メーカーも多数の企業が出展し、端末を展示していますが、全般的にタッチパネル採用モデルばかりでした。世の中のトレンドは、すっかりタッチパネルなのですね。
 日本のケータイもタッチパネルを採用したものが多くなっていますが、そのほとんどは既存のUIをいかに継承するか(通信キャリアのプラットフォームがタッチパネルのUIなど考えていない)で試行錯誤していて、まったくタッチパネルを採用することに意味の無いモデルばかりで、本当にダメな端末ばかりに感じます。
 世界のタッチパネルケータイは、ユーザーの使いやすさを優先にUIが工夫されている印象を受けます。縛られるものがなくてうらやましい限りです。

 韓国企業のといえば、通信キャリアであるSKテレコムも出展していました。通信キャリアらしく、ケータイを使いつつ「通信の活用で生活がますます便利になる」的な展示内容でした。本来、NTTドコモが世界各地の通信系展示会でやって来たような内容でしたが、ここ北京ではNTTドコモの影は無く、逆に韓国のSKテレコムがこのような展示をしていました。

Img_3278SKテレコムブースにて。わざわざ韓国車を韓国ナンバー付きで持ち込み、ケータイサービスと自動車の連携などの実演展示もしていました。韓国の自動車ナンバーも最近は横長型になったんですよね。韓国車の輸出先を北米から欧州にシフトして行く中で、デザイン上の汎用性を考慮しナンバーデザインをこうしたのでしょうか(考え過ぎ?)。

Img_3287ナビゲーションの連携や、自動車の情報をケータイに取り込んだり、ケータイと自動車の双方向連携ができるようです(中国語なのでよくわかりませんでした。。)。

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2009/09/18

中国のケータイ事情(1) 〜中国に学ぶこと〜

 中国では、昨年からの通信キャリア大再編や、今年5月から本格スタートした3Gサービスなど、その動向が注目されているところです。そしてちょうどこの時期、中国における最大級(かな?)の通信関連イベント「P&T / WIRELESS & NETWORKS COMM CHINA 2009」が開幕中で、この視察を兼ねて中国の最新携帯電話事情を探りに北京へやってきました。

Img_3087日本の「ワイヤレスジャパン」ぐらいの規模のイベントでしょうか。中国系通信関連企業を中心に、世界各社のパビリオンが並びます。

 北京に着いて真っ先に向かったのがこの「P&T / WIRELESS & NETWORKS COMM CHINA 2009」。ここではいろいろな見所がありまして、驚くことや感心することなど書ききれないほどあるのですが、まずはとくに印象に残ったところだけ書き留めておきます。
 中国の3大通信キャリアほか、端末メーカーも多数出展していますが、そこでまず目に留まったのがケータイ端末の傾向。わが国でもタッチパネル採用のモデルが増えていますが、これは中国でも同様です。ところが、中国ではタッチパネル操作面において、ユーザビリティがしっかり設計されているのですね。
 日本のケータイは、「タッチパネルを採用しました」と言っても、従来からのメニュー画面などをそのまま活かしていまして、結局タッチパネルで操作するよりも、カーソルキーやテンキーを使っての操作の方が正確で素早かったりします。タッチパネルを搭載するのなら、根本的に操作インターフェイスを変えなくては、タッチパネルのメリットを引き出せないわけです。
 中国では、端末開発は当然のことながら端末メーカー主導でモノ作りしていますから、インターフェイスや搭載機能の制約はありませんから、ユーザーの使い勝手を考えた商品作りができるのです。とても当たり前のことなのですが、日本では各社が苦戦していますね。
 また、3Gが始まったことで、ケータイコンテンツのリッチ化が今後ますます進んで行くのですが、ここは中国の通信キャリア各社にとっては「垂直統合型ビジネスモデル」を築く絶好のタイミングと捉えているようです。日本でも、iモード以降に通信キャリア主導の垂直統合型ビジネスモデルに拍車がかかっていきました。同じことが中国でも起きようとしているわけです。
 ところが、これまで日本とは対称的にオープンだった中国のケータイ市場ですから、通信キャリアが今さら垂直統合化させていくのも決して簡単なことではないと考えられます。そんな背景から、各通信キャリアはサービスの差別化を図るのにコンテンツサービスが重要ととらえてはいるものの、オープンな環境を活かしつつ、いかにパッケージ化したサービスを提供できるかというところに苦戦している印象を見い出すことができました。日本のビジネスモデルを徹底的に研究しているなという印象も受けました。

Img_2797中国でもおサイフケータイが本格的に始まるようで、多数のおサイフケータイ関連ソリューションが展示されていました。ちなみに端末は日本のように通信キャリア主導で端末開発までできませんから、SIMカードに非接触ICの機能を持たせ、専用のSIMカードに差し替えるだけでおサイフケータイが使えるようにする方法で展開するようです。これなら、既存の多くの機種でもおサイフケータイの利用が可能になるわけです。

 もう一つ印象に残ったのは、今後ケータイが普及して行くであろうアフリカや南・中央アジアあたりの来訪者を多数見かけました。
Img_3113 中国の端末・インフラメーカーである華為(HUAWEI)のブースでは、HUAWEIのスタッフからVIP待遇で解説を受けているアフリカ系の方々を見かけました。その様子をうかがってみると、説明を受けていたのはアフリカのどこかの国の政府や通信キャリアの方々のような感じでした。HUAWEIに頼めば、基地局から端末まで揃うわけですから、これから「3Gサービスをアフリカのわが国で始めたい」なんて相談がきてもすぐに対応できてしまうわけですね。
 日本でも、今後アフリカや南米などでケータイ市場が拡大して行くから、そうした途上国相手に世界市場へ展開すべき、という話を何度も聞いてきました。しかし、途上国の国々の方は、日本よりも中国のメーカーのほうがコストも安く、(おそらく)動きも速いとあって、みんな最初から中国メーカーへ足を運んでいるのでしょうね。
 携帯電話端末の世界シェアでは、NOKIAを筆頭に、サムスン電子、モトローラ、LG電子、ソニーエリクソンが5強ですが、近い将来、中国のメーカーが名前を連ねる日はそう遠くはないのでは?

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2009/09/16

日本のケータイ、本当に大丈夫なの?

 先だって、KDDIの「iida」ブランド新製品発表会に行ってきた。KDDI関係者にも友人知人は多いので悪いことはなるべく書きたくないのだが、今回は率直な感想を書かせていただく。私自身はNCC派で、IDO創業時からのauファンでもあったが、このところのKDDIの迷走ぶりにはそろそろ我慢も限界である。

 正直なところ、なんで相当の開発費をかけながら「こんな端末しか作れないのか?」と思ってしまうのである。KDDIによれば、iidaは「ケータイを中心にライフスタイルまでトータルでデザインする」というコンセプトらしいのだが、実際に触ってみるとずっこける。質感は相変わらずプラスチッキーで、メニューボタンを押せばいつもと変わらない構成のアイコンが並んでいるだけで、結局のところ外装デザインだけちょっと凝ってみました、という端末に過ぎないのである。本気でケータイをデザインするというのなら、従来のケータイの目に見えるところだけデザインしたような手抜きなものではなく、端末のハードからユーザーインターフェイス、素材に至るまでこれまでに無いような新しい発想を生み出してほしいものだ。
 iidaはせっかく一流のデザイナーを起用しながら、こんなモノ作りをしているようではデザイナーも気の毒である。そもそもロングセラーモデルにすることなど通信事業者側Iは微塵も考えていないのだろう。モデルライフはせいぜい発売から数ヶ月で消えて行く運命で、一流デザイナーのプロダクトをも「使い捨て」状態だ。

 ケータイ端末開発で重要なのは、私はユーザーインターフェイス(ハード面もソフト面も)だと思っているが、そもそも日本はここを通信事業者にコントロールされてしまっているので(通信事業者が増益のためユーザーに使わせたい数々の機能を最優先に使えるようなユーザーインターフェイスになっている)、日本のケータイは面白くもなく、多くのユーザーが「欲しいとも思わない」ような端末を量産し、端末メーカーが疲弊しているのである。
 そういう点でiPhoneは画期的なプロダクトだと改めて思う。もうすでに1年以上前から、多くの識者が「日本はiPhoneに学べ」と言っているのに、日本の通信事業者や端末メーカーは全く学習していないようだ。iPhoneはハードとソフトが一体で設計されることで、ここまで斬新でしかも使いやすい端末が作れるということを証明してくれた。スマートフォンの便利さを、広く一般のユーザーにまで広めてくれた。しかも見事な限りロングセラーである。発売から1年以上経ってもいまだに店頭で販売され、しかも売れ続けている。モデルチェンジもキープコンセプトで、外見も操作面も基本的には変わらず、中身をしっかり充実させている。
 日本のケータイにおいても、1年以上継続して売れるような気合いの入った端末が生まれてほしいものだが、残念ながらそういったものがいつまでたっても出て来ないのである。
 日本のモノ作り全般に言えることだが、どうも日本の製品は「3日で飽きる」のもばかりに感じる。
 いっぽうで、欧州などの製品は使いこんで行くうちにだんだんと「素晴らしいな」「よく工夫されているな」というような味わいを感じるようになるものが多い。また、欧州メーカー製モデルは、メーカーごとのアイデンティティ(個性)の主張もしっかりしている。NOKIAは一目見てNOKIAとわかる、他のメーカーも同様。またユーザーインターフェイスも端末メーカーごとで一貫性がある。NOKIAの画面の構成を見てほしい。左上にアンテナマーク、右上にバッテリー残量、メニューボタンを押した後の階層構成など、おなじみのNOKIAのユーザーインターフェイスは、1994年にわが国で初めて発売されたNOKIA製端末(デジタルホン、DP-151)以来ずっと踏襲され続けてきたものだ(欧州ではそれ以前からなのだろう)。15年を経ても、その操作性が基本的には変わっていないということである。だからユーザーは同じメーカーの端末を買い替え続けていくのである。
 日本では、端末のメニュー構成などのインターフェイスは、以前は端末メーカーごとに個性があったものの、現在ではほぼ通信事業者ごとに統一されたものになってしまった。これは、ユーザーからの問い合せに対して、コールセンターのオペレータが対応しやすくなるという通信事業者側の意図があるわけだが、言い換えれば端末メーカーの個性を失わせてしまった。ユーザーにとっても、ケータイを選ぶ重要な要素だった「操作インターフェイス」という選択肢が無くなってしまった。だから面白いケータイが出てこないし、日本の端末メーカーも通信事業者のわがままで端末を受託開発するだけの「組み立て屋さん」状態となってしまった。端末メーカーが国際競争力を失って行くのも当然の流れである。

 日本のケータイ、はたしてこのままで良いのだろうか?

 そんなわけで、ちょっと海外の事情に探りを入れてきましょう。これから北京へ行ってきます。。

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2009/09/03

書籍書きました!『企業携帯サイトの構築』

510mgsjhiwl_ss500_1 久しぶりに書籍を出版しました。といっても私が書いたのは触りの部分ぐらいなのですが、天才マーケッターの吉田謙(ゆずる)さんや、リクルートご出身で、クロスメディアの先駆けとなったファッションサイト「エフモード」を立ち上げた中谷健一さんとのコラボで、素晴らしい書籍に仕上がったと思います。実際には吉田譲さんが中心になって企画から原稿とりまとめまでご尽力いただきました。おつかれさまでした。
 書籍タイトルのとおり、モバイルマーケティング視点から、企業に携帯サイトを活用してもらおうという内容です。ケータイの普及により(さらに「ゆとり教育」の影響も加わり)、ターゲットとなる消費者層の思考が大きく変化してきています。だからこそ、ケータイを使ったマーケティングやコミュニケーションは、今後ますます重視されるべきものだと思うんですよね。
 何より、多くの企業にケータイを活用していただき、ケータイ業界が更なる活性化に結びついてくれればと思っております。

Photoようやく書店店頭に並び始めました! ぜひ、買ってくださいませ。

 書籍出版にあたり、版元の秀和システムさんには大変お世話になりました。ケータイ業界活性化のために…、そういえばもう1冊書籍を手がけているのですが、原稿締め切りをもう2カ月以上過ぎてますね(^^;;; 編集ご担当I様…、申し訳ございませんm(__)m

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